アカウミガメの卵を確認する田中学芸員=大浜海岸

 アカウミガメの産卵地として国天然記念物に指定されている徳島県美波町日和佐浦の大浜海岸で12日、県内では今年初となるウミガメの上陸、産卵が確認された。うみがめ博物館カレッタ(同町日和佐浦)によると、記録の残る1989(平成元)年以降で産卵の早さでは95年の5月12日と並び最速タイ。同海岸は近年、上陸、産卵回数ともに減少傾向にあり、早々の産卵確認に関係者からは「産卵数の増加に期待したい」との声が上がっている。

 12日早朝、海岸を散歩しいた町民がウミガメの足跡を発見。町役場を通じて連絡を受けたカレッタの田中宇輝学芸員(35)が砂浜を掘り返し、約60センチの深さに埋められている直径約4センチの卵を確認した。産卵したのは甲長80センチ前後の中型のアカウミガメと見られる。

 確認後、卵は埋め戻された。台風などの影響が予想されない限り、海岸の砂浜で管理される。7月中旬にふ化の予定。

 NPO法人日本ウミガメ協議会(大阪府)によると、同海岸では2017年に27回の上陸、17回の産卵を確認して以降、それぞれ18年1回(うち産卵0回)、19年9回(同6回)、20年3回(同3回)と、上陸、産卵ともに減少傾向にある。田中学芸員は「産卵時期が早いからといって回数が多くなるわけではないが、ここ数年、寂しい状況が続いているため、この後も上陸、産卵が続いてほしい」と話している。