在りし日のナカちゃんをしのぶ等身大モニュメント「追懐」=阿南市の那賀川河川敷

 2005年11月、徳島県阿南市那賀川町の那賀川下流に現れ、話題を集めたアゴヒゲアザラシ「ナカちゃん」の人気ぶりを覚えているだろうか。大勢の見物客が連日堤防に詰めかけた。オリジナルソングや音頭が生まれ、パンなどの関連商品も登場。旧那賀川町が住民登録し、合併後の阿南市の特別名誉市民になった。

 そんなナカちゃんが私たちの前から姿を消して、今年で15年になる。06年8月27日、那賀川の中州で死骸となって発見されたのだった。最初に登場してから、299日目の悲しい出来事だった。

 当時、ナカちゃんがどれほど話題を集めたか。徳島新聞の「読者が選んだ県内10大ニュース」で見てみると、05年の年間1位は「那賀川にアザラシ」、06年は「ナカちゃん死ぬ」。2年連続で、ナカちゃん関連がトップとなっている。

 07年5月には希代の人気者の思い出を伝えていこうと、地元の彫刻家・福島隆資さんが御影石の等身大モニュメント「追懐(ついかい)」(長さ約1・8㍍、高さ約1㍍)を制作。住民グループ「ナカちゃんを語り継ぐ会」と共に那賀川北岸の河川敷に設置し、市に寄贈した。JR牟岐線の那賀川鉄橋の上流部だ。

 モニュメントはきょうも、那賀川の穏やかな水面を見つめている。

〈2021・5・20〉