史跡・旗山の山上に建立された義経騎馬像。小松島には、義経上陸にちなむ地名や伝説が数多く残っている

 1185年、京の都を追われた平家は屋島(香川県)に陣を張った。それを攻めるため、暴風雨をついて阿波に上陸したのが、源義経率いる源氏の軍勢だ。徳島県小松島市(当時は勝浦郡)には、義経の上陸伝説にまつわる数多くの地名や旧跡が残る。

 見どころは史跡・旗山(同市芝生町)だろう。摂津国渡辺(現在の大阪市周辺)から船5隻で出発した義経軍は、数時間で小松島に上陸。小高いこの山に源氏の白旗を立てて、軍勢を立て直した。ここからだと、確かに小松島市街が見渡せる。

 山上に立つのが「義経騎馬像(源義経公之像)」。いななく愛馬にまたがり、気勢を上げる義経の勇姿を表現している。足元から頭まで5・35メートル、弓の先までは6・7メートルで騎馬像としては全国最大だ。

 同市田野町の字名「勢合」は、暴風雨で散り散りになった軍船を勢ぞろいさせたのが由来とされ、JR阿波赤石駅近くに石碑が立つ。このほか、国道55号には「源氏橋」「義経橋」が架かる。

 ところで「平家物語」には、上陸した土地が地元で「勝浦」と呼ばれていると知った義経が、「合戦に向かう義経が勝浦に着くとは、実にめでたい」と喜ぶくだりがある。地元では有名な話だ。

〈2021・5・27〉