記録的な不漁が続くサンマについて、水産庁は2021年漁期(1~12月)の漁獲枠を前期比41%減の15万5335トンとする方針を決めた。現行制度を導入した1997年以降では最も少ない。

 日本をはじめ、中国や台湾など8カ国・地域が参加した北太平洋漁業委員会(NPFC)の削減合意を受けての措置だ。資源枯渇が懸念される中、国際的な規制強化を回復への糸口としたい。

 国内では62年に47万トン超の水揚げがあったが、昨年はわずか2万9566トンにとどまる。記録が残る中で最低だった一昨年より27%も減った。

 供給減により昨年、産地市場での10キロ当たりの卸売り単価は前年比1・5倍の4804円と、高値が続いた。もはや庶民の食卓から姿を消しつつある。

 日本は近海を主な漁場としている。不漁の一因として、排他的経済水域(EEZ)内にサンマの群れが回遊してくる前に、中国や台湾漁船が公海で行っている大量の「先取り」を挙げている。

 サンマの資源管理を協議した2月のNPFCの年次総会では、総漁獲枠を前年比40%減の年33万3750トンとすることで合意した。 内訳を公海が19万8千トン、日本とロシアのEEZ内が計13万5750トン以内とすることで一致した。ルール適用は2年間だ。

 資源回復へ規制強化を求める日本に対し、これまで慎重姿勢を貫いてきた中国や台湾が歩み寄ったとみられる。日本が主張した国や地域別の漁獲枠の新設は見送られたとはいえ、一歩前進といえよう。

 譲歩を引き出すことができた背景には、米国とカナダを除く6カ国・地域でも漁獲量が減っている事情がある。

 ただ、国際的な削減合意がすぐに水揚げ量の回復につながるかどうかは不透明だ。資源悪化が極度に深刻で、急速な回復が見込めないようだと、漁獲枠のさらなる削減を検討せねばなるまい。

 もとよりサンマの不漁には、地球温暖化などの影響も指摘されている。海水温や海流の変化、餌が重なるマイワシの激増などが複雑に絡み合っていると考えられる。しかし、メカニズムははっきりしない。

 水産庁はサンマを含む3魚種に関して、不漁の長期的要因を分析する検討会を発足させた。大学教授や研究機関の関係者らで構成し、次期の水産基本計画に反映させたい考えだ。

 さまざまな知見を貴重な海の資源の持続につなげ、漁業が安定的に継続できる方向性を導き出してもらいたい。