静かに町並みを楽しむ観光客=5月4日、美馬市脇町のうだつの町並み

 4月25日、東京、京都、大阪、兵庫の4都府県に3度目の緊急事態宣言が発令され、5月12日には愛知と福岡、16日には北海道、岡山、広島が対象地域に追加された。感染急拡大を受け、徳島県では5月31日まで飲食店に対して営業時間短縮要請が出されている。ただ、相次ぐ緊急事態宣言や長引く自粛ムードから、多くの人に危機感の薄れや自粛疲れが見られる。宣言や時短要請は人出を抑えて感染者数を減らすのが狙いだが、果たして引き締め効果は出ているのだろうか。

 

日中の人出は減少 夜は変わらず?

 

 県内の人の動きを調べてみた。NTTドコモが携帯電話の位置情報を基に分析した人口増減率によると、ゴールデンウィーク(GW)中の徳島駅周辺の午後3時時点の人出は、感染拡大前や緊急事態宣言発令前と比べて35%~59%ほど減っている。ただ、GW明けから減少率は低くなり、新規感染者数が減っているここ数日は前年度や3度目の緊急事態宣言前と同等か、それ以上の人出となっている。

 

 別の地点の数字を比べてみる。阿波富田駅(秋田町)周辺のデータを測定しているソフトバンク子会社「Agoop」によると、19日午後3時時点の人出は感染拡大前、緊急事態宣言前、20年5月と比べ、いずれも30%前後減少しているものの、午後9時時点では6~17%ほど増えている。データを基に21年1月1日~5月19日の人出を前年同日と比較したところ、曜日の違いはあるものの、全体的に人出が増加傾向にあることが分かる。

 

感染者は減少? 死亡率は全国ワースト1 高齢者施設や病院でクラスター多発

 

 同時期の県内の感染者数を見てみる。4月までは新規感染者がゼロの日が少なからずあったが、3月29日以降は感染が急拡大し、5月2日には過去最多の60人の感染が確認された。3日以降は徐々に減少し、13日~19日の直近1週間の新規感染者数は60人を下回り、1日当たりでは1桁が続いている。しかし、楽観視はできない。県内では年明けから死者が徐々に増え、4月だけで25人が死亡、5月21日現在の累計死者数は59人に上る。年齢別では50代1人、60代6人、70代14人、80代以上が38人。累計感染者数に占める死者の割合を死亡率として都道府県別に見ると、徳島県は3.62%と全国ワースト1位になっている(5月20日午後9時半現在。共同通信社のまとめデータから算出)。

 

 クラスター(感染者集団)の数も増えている。昨年8月と10月、高齢者施設や飲食店などが関係する5例が発生。その後、高齢者が相次いで亡くなった。今年に入ってからは学校や部活動、職場などにも広がり、20日までに合計27例が発生。このうち、9例が特別養護老人ホームなどの高齢者施設や病院で起きている。

 

 現在、感染の収束に向けて各都道府県でワクチン接種が進められているが、予約上のトラブルや管理ミスなどでどの自治体も思うように進んでいない。ワクチンの効果が表れるのはまだまだ先になりそうだ。昨年2月に県内で初めて感染者が確認されてから、1年3カ月余り。自粛続きの生活に息が詰まる時もあるかもしれないが、感染症対策が取られた飲食店やテイクアウトの利用、マスク会食の徹底、オンラインツールの活用、3密回避などを心掛け、コロナ禍を乗り越えたい。

 

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【グラフで見る新型コロナ】徳島県内の感染状況

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【グラフで見る新型コロナ】ワクチン接種状況