徳島市が新たな建設予定地に選んだ市北部浄化センターの敷地=同市東沖洲1

 徳島市は20日、周辺5市町と進める広域ごみ処理施設建設計画に関する連絡会議(会長・内藤佐和子市長)で、同市飯谷町に代わる新たな建設予定地として、東沖洲1のマリンピア沖洲内にある市北部浄化センターの敷地を選んだと報告した。5市町の首長から異論はなかった。今後、各市町は6月議会定例会に報告するなどして、計画への参加について改めて判断する。

 市環境部によると、建設予定地は北部浄化センターの敷地(約12・8ヘクタール)北側の空き地約4・8ヘクタール。選定理由は▽市有地で用地交渉が必要ない▽施設建設に十分な広さを確保できる▽交通アクセスが良い▽半径800メートル圏内に住宅がない―などを挙げた。新施設の稼働は、飯谷町での計画より3年遅れの2030年度を目指すとした。

 市のハザードマップによると、マグニチュード(M)9・1の南海トラフ巨大地震が発生した場合、予定地周辺は津波により最大2メートル浸水するとされる。市は対策として、地盤のかさ上げや建物自体の防水などを講じる。

 総事業費は本年度内に市一般廃棄物中間処理施設整備基本計画を策定して算出するとしている。

 センターの空き地は公共下水道の拡張に備えた関連施設整備に充てる予定だった。しかし、市上下水道局が昨年11月、公共下水道事業を見直す方向性を示して関連施設が不要になり、建設候補地として浮上した。

 連絡会議の会合は徳島市役所で開かれ、徳島、小松島、北島、松茂、石井、勝浦の6市町の首長が非公開で協議した。今後、建設費などの費用負担を協議した上で整備計画への参画を判断し、新たに協定を結ぶ。

 6市町は16年11月に徳島市飯谷町の採石場を建設候補地として決めた。しかし、整備した場合に施設の一部が土砂災害警戒区域に指定されるとの見通しが判明。整備は事実上困難になったとして市内で他の候補地を探していた。

 徳島市は新たな計画に関する説明会を開くなどして地元住民の理解を得ながら取り組む方針。内藤市長は「5市町の意見を受け止めながら進めるとともに、地域への丁寧な説明も重要だと思う。必要であれば私自身も出向いていく」と述べた。

 

費用分担の再協議焦点

 徳島市が広域ごみ処理施設の新たな建設予定地にマリンピア沖洲内の市北部浄化センター敷地を選び、手詰まり感が漂っていた計画は大きく前進した。とはいえ、事業を円滑に進めるためにクリアすべき課題は多い。

 一つは参加自治体の費用負担だ。飯谷町での計画では▽徳島市が用地購入費を全額負担▽施設建設費と周辺環境整備費は9割が人口割、1割を均等割▽維持管理費と大規模修繕費はごみの排出量に応じて負担―などと決めていた。

 徳島市の負担が大きいため、内藤佐和子市長派の市議からは「なぜ市が割を食うのか」「次期施設は市外で整備する確約が必要」との批判が上がっている。こうした声を考慮してか、市長は昨年12月の市議会本会議で、候補地を変更した場合は条件面を協議し直す方針を示した。

 徳島市以外の5市町は負担増を懸念する。20日の連絡会議終了後、複数の首長が「費用的な問題が一番大きい」「前回ぐらいがありがたい」とくぎを刺した。全市町が納得できる条件を示すのは容易でない。

 地元合意も事業進捗(しんちょく)の鍵となる。市は既にマリンピアのほぼ全ての事業所に説明し、好感触を得ているようだ。飯谷町の計画も当初は表立った反対の動きはなかったものの、環境への影響などで住民の懸念を払拭できなかった。その上、当時の市長が住民との話し合いに応じず、反発が強まった。

 同じ轍(てつ)を踏まないためにも、内藤市長自らが地区に出向いて対話する必要がある。