四国地方は1951年の統計開始以来、最も早い梅雨入りとなり、徳島県内も雨が降り続いている。前線の停滞が長期化することも予想され、豪雨災害への備えを怠ってはならない。

 2018年西日本豪雨、昨年の熊本豪雨など、国内では毎年甚大な被害が出ている。本県も例外ではない。14年夏には那賀川の氾濫で大規模浸水が発生し、西日本豪雨では県西部で孤立が相次いだ。

 人的被害の軽減には早期避難が欠かせない。気象庁や自治体から出される防災気象情報に基づく迅速な行動が求められる。

 災害対策基本法の改正で20日から避難情報が見直された。市町村が災害発生の恐れが高い時に発令する「避難勧告」は廃止され、「避難指示」に統一した。

 いずれも5段階に区分された警戒レベルで上から2番目のレベル4に併記されていた。しかし、違いが分かりにくく、過去に多数の逃げ遅れを招いたためだ。

 同時に、災害発生時などに出されるレベル5の「災害発生情報」は「緊急安全確保」に、レベル3の「避難準備・高齢者等避難開始」は「高齢者等避難」にそれぞれ改めた。レベル4までに危険場所からの全員避難を促す。

 一部の表現が見直されたとはいえ、分かりにくさを指摘する声は依然多い。危機の度合いや、住民が取るべき行動が的確に伝わるよう、行政は情報の意味や変更点などの周知を徹底すべきだ。

 一方、気象庁は近く、線状降水帯の発生を知らせる気象情報の提供を始める。

 線状降水帯は、積乱雲の連続発生が同じ場所に雨を降らせ続ける現象で再三、局地的な大雨をもたらしてきた。発生の事前予測は難しく、新たな気象情報も予報ではないにせよ、危険性を認識し、命を守る行動につなげたい。

 大雨や洪水はいつどこで起きても不思議ではない。

 県内河川で決壊や越流などの恐れがある重要水防箇所は364カ所に上る。にもかかわらず、浸水エリアなどを示すハザードマップの活用はあまり進んでいないといわれる。

 状況によっては、避難所に行くことがかえって身の危険につながるケースもあろう。決められた避難所だけではなく、近隣の安全な場所や避難経路をしっかり確認しておきたい。親類宅、ホテル・旅館などへの分散避難や在宅での垂直避難も選択肢となる。

 コロナ下で住民が避難をためらい、命を失うようなことがあってはならない。自治体は最大限の感染防止策を講じ、安心して利用できる避難所の運営に手を尽くしてもらいたい。