連れ合いのことを皆どう呼んどるん。わしとこでは名前。ほなけど、外出したとき、困んねん。「○○ー」「大きな声で、恥ずかしいでえ、やめて」って。

 けどな、前にドラマでみた『夫婦善哉』のまねをして、「おばはん」ちゅうたら、返事がなかったわ。テレビではええ感じやったんやで。

 おなごの人なら、どやろ。知り合いに聞いてみたら、こない言よった。「そやね、『ちょっと』かいな」。そらあ、冷たおます。

 他の人に対しては、どう言うんかいな。夫、旦那、主人、亭主、うちの人。今風やないねえ。封建制のにおいがしますな。ほうー、じじい、とな。こりゃひどい。

 今日書きたいのは、それやおまへん。知り合いの話ですねん。「旅先でのごはんよ。仲居さんがお櫃(ひつ)を持ってくるでしょ。必ず、私の隣に置くんよ。女がよそうのが当然ってこと? 女生徒の制服もスラックスになってる時代にじょ」

 コロナが明けたら、ちっとは変わっとるかいのう。(神津久蔵)

*夫婦善哉=大阪を舞台にした小説家織田作之助の代表作 *おなご=日本方言大辞典によると、標準語形の「おんな」は中部から関東にかけて分布。用例としては、「おなご」よりも「おんな」の方が古い。元の「をみな」は奈良時代、美しい女の意。