売約済みの商品が多く並ぶ店内で、自転車を整備する従業員

 徳島県内の自転車販売店で、需要過多により一部商品の入荷や修理のめどが立たない状況が続いている。新型コロナウイルスの収束が見通せない中、自転車は公共交通機関を使わずに移動できる上、外出自粛に伴う運動不足の解消にもつながることから世界的に利用者が増えているためだ。部品の供給が追い付いていないケースもあり、商品によっては1年以上待ちの状態だという。

 徳島市南矢三町1の「イウチサイクル」では、コロナ感染の第1波が落ち着き始めた昨年5月ごろから購入者が増え始め、昨年度の販売台数は前年度比で7%増えた。中でも5万~6万円台のスポーツバイクと、子ども向けの自転車がよく売れている。

 人気ブランドのスポーツバイクはほとんどが品切れ状態で、次にいつ入荷されるか分からない状況だという。販売台数の増加について、井内康量店長は「コロナ禍による運動不足解消を目的に購入した人が少なくなかったのでは」と推測。「コロナ需要に加えて入学シーズンも重なり、2~4月は週に1、2日、通常営業を取りやめて店を閉め、自転車の整備に当たらざるを得なかった」と話した。

 同市福島2の「サイクルメイト土橋」では、昨年度と比べて2万~3万円のスポーツバイクの販売台数が増えた一方、7万~8万円の人気ブランドバイクは世界的な需要増の影響で入荷が減り、販売台数は伸び悩んだ。

 同店でも部品の入荷待ち状態が続いており、一部車種は入荷や修理に1年以上かかる場合があるという。土橋康博社長は「入荷のめどが立たないので、お客さんに期日について曖昧な返事しかできなくて心苦しい」と語った。

 昨年10月上旬にイウチサイクルでロードバイクを注文し、今年5月中旬に受け取った徳島市の男子高校生(17)は「コロナ禍で自転車の需要が高まっていることは知っていたが、受け取りに半年以上かかるとは思わなかった」と驚いた様子だった。