徳島市の高齢者に対する新型コロナウイルスワクチン接種で、20日の予約受け付け開始前から一部の医療機関で接種の予約が行われ、市の示した方法で予約できなかった高齢者から不満の声が相次いでいる。市医師会は「重症化しやすい患者に早く接種できるよう各医療機関が判断した」と説明。市も理解を求めつつ「混乱を招いた事態を受け止め、情報発信の方法を改善する」としている。

 市は通知はがきや広報紙などで、20日午前8時半から市コールセンターやインターネットの専用サイトで予約を受け付けるとしていた。ところが、一部高齢者の間では予約開始前から「かかりつけの病院に相談したら予約を受け付けてくれた」との声が上がっていた。

 市医師会によると、市の予約で受け入れる高齢者とは別に、基礎疾患や持病などで重症化のリスクが高い患者は、できるだけかかりつけ医が接種するようにしている。市の広報では「かかりつけ医と相談の上、予約をお願いします」と促していた。このため確実に接種ができるよう、コールセンターを使わずに直接予約を受け付けた医療機関が複数あった。その一方で、コールセンターや専用サイトのみで予約を受け付けている医療機関もある。

 市医師会の岡田元成事務局長は「患者が安全、安心に接種を受けるため症状を知っている医師が事前に予約を受け付けていた。理解してもらいたい」と話す。

 市も「病院側の配慮であり、円滑な接種に向けて協力を頂いたと思っている」とする。ただ、公式に案内していた予約方法はコールセンターと専用サイトの2種類。かかりつけ医がいなかったり、期日を守って予約しようとしたりした高齢者の間では、「不公平ではないのか」と憤りの声が相次ぐ。

 12日に予約を開始した鳴門市では14日に臨時の広報を発行し、市民に周知。コールセンターの電話番号に加え、市内の県鳴門病院に通院する人のみに対応する番号を併記した。小松島市は代表番号で予約を一本化するなど、混乱を招かないよう工夫している。

 徳島市健康福祉部の藤田稔夫部長は「混乱が起きたことは事実で、予約できなかった人にはご迷惑をお掛けした。今後の情報発信については十分に検討し、改善していく」と述べた。