新型コロナウイルスの感染予防に配慮しながら指導する県トレーナー協会の西浦理事(左)=鳴門渦潮高

 徳島県内の学校でも新型コロナウイルスの感染が確認される中、部活動の基礎トレーニングやけがの予防を担ってきたトレーナーの指導機会が減っている。9日間の活動休止を経て6日に再開した後も練習が短時間に定められているため、本来の仕事を終えてから学校に出向いても間に合わなかったり、県総体などに向けて実戦練習を優先する部の意向があったりして指導に苦慮しているのが現状だ。

 県トレーナー協会によると、理学療法士や柔道整復師、鍼灸(しんきゅう)師などの資格を持つ会員20~30人が、中学や高校の部活動に関わってきた。協会は新型コロナの感染が広がり始めた昨春、感染予防方針を盛り込んだガイドラインを策定。部員との接触を伴うため、学校と連携を密にしながら消毒や検温を徹底するなど工夫を凝らし、県内の感染状況に応じた改定を会員に通知している。

 石井町で整骨院を経営する西浦祥仁・同協会理事は週1回、鳴門渦潮高を訪れ、男子バスケットボール部員26人にフィジカルトレーニングを教えている。若年層にも広がりやすいとされる変異株が急速に増える中、「感染防止に向けてやることは変わらないが、自分が外部の人間である以上、より気を付けているし、選手に対しても注意を呼び掛けている」と話す。 部活動再開後も県教委は練習時間を削減。12日以降は平日2時間、休日3時間以内と定めているため、西浦理事が指導する4校のうち2校は不足している実戦練習に全ての時間を充てており、指導に出向けていないという。

 吉野川市の病院に勤める理学療法士の松本真巳理事は週1回、午後5時に仕事を終えてから1時間以上かけてある高校の運動部を訪れ、選手の体のケアに当たってきた。「普段は平日の練習が午後9時ごろまであり、時間的な問題はなかった。だが今は学校に着いた時点で練習は終わっているので選手の状態を見られない」と明かす。

 松本理事によると、新型コロナの感染拡大で、勤務先の病院からトレーナー活動を禁止されている理学療法士の会員も少なからずいるという。

 鳴門渦潮高男子バスケットボール部の佐藤彰飛(しょうと)主将は「トレーナーのおかげでいいコンディションを保てている」とサポートの必要性を強調する。山田佳弘会長は、時間短縮による練習不足もけがの一因となることを危惧しており、「トレーナーが学校に行けていない場合は電話やメール、LINEなどで指導者や選手から直接状態を確認し、アドバイスしてもらいたい」と話している。