「出張シェフ」で依頼者宅を訪問し、料理を作る濱西さん夫妻=阿波市吉野町柿原

濱西秀範さん(左)、祐佳さん夫妻

 新型コロナウイルスの感染拡大で外食に出掛けづらい中、徳島県北島町江尻の料理人、濱西秀範さん(40)と妻祐佳さん(39)が、依頼者宅などを訪問して料理を振る舞う「出張シェフ」を始めた。結婚記念日や誕生日など特別な日に合わせ、家にいながら本格的な料理を味わってもらう。

 濱西さん夫妻が依頼者宅などに出向いてキッチンを借り、要望に応じた和洋中のコース料理を提供する。定番のスタンダードコース(1人1万780円)は、実演で盛り付けを行う前菜やパスタ、メインの肉料理など7品。季節の野菜を使い、テーブルを彩る。

 依頼者と事前に打ち合わせ、テーマに合わせた料理を作る。結婚記念日にはブーケをかたどったサラダ、卒業シーズンには桜をモチーフにしたコースなど工夫を凝らす。

 大阪で20年近く、主にイタリア料理のシェフとして働いた秀範さんが調理。祐佳さんはテーブルの準備や会計などを担当する。2月に始め、知人の依頼や紹介で5月中旬までに15回の申し込みを受けた。「事前に打ち合わせをしてくれるのでオンリーワンの会になる」「外食するよりも家族が喜んでくれた」などと好評だ。

 濱西さん夫妻は昨年秋、吉野川市内に洋風総菜店を開業する予定だったが、コロナの影響などで今夏に延期した。店舗を構えるまでの間にできることはないかと考え、出張シェフを思いついた。秀範さんは「本来飲食店は受け身だが、一歩踏み出せば新しい働き方ができる」と言う。

 開業しても出張シェフは継続する。「高齢者や小さなお子さんがいて普段外食に行きにくい家庭にも、非日常空間を体験してほしい。特別な時間を一緒に作っていきたい」と話している。