学校法人「加計学園」の獣医学部新設や、森友学園の国有地売却などに絡み、連日のように新たな資料や証拠が出ている。

 それぞれ、安倍晋三首相と昭恵首相夫人の関与が疑われるものだ。

 ところが、きのうの衆参両院予算委員会の集中審議で、首相はこれまでと同様の答弁を繰り返した。

 首相は、どのような証拠を突きつけられても「丁寧に説明する」「うみを出し切る」と言い募るだけで、実行の意欲が感じられない。

 真相解明には、関係者を国会に呼ぶしかあるまい。ただ、これを実現できるのは圧倒的な数を誇る与党である。今、その姿勢が問われていることを自覚すべきだ。

 加計学園を巡り愛媛県は21日、新文書を国会に提出。加計関係者からの報告として、首相が加計孝太郎理事長と2015年2月25日に15分程度面会したとの記載があった。

 加計氏が同県今治市で国際水準の獣医学教育を目指すと説明、首相が「いいね」と評価していたというものだ。

 首相は集中審議で、改めて面会を否定し、文書を「学園関係者からの伝聞の伝聞にすぎない」として信ぴょう性に疑義を唱えた。

 驚かされたのは、加計学園が26日、面会はなかったとしたファクスを突然、報道各社に送信したこと。担当者が、県と市に誤った情報を伝えていたという。

 首相は、報道された「首相動静」に記載がなく、首相官邸への入館記録も残っていないことから面会を否定するが、説得力に欠けよう。

 加計学園の説明にしてもファクス1枚だけで、県への報告すらなく、面会がなかったとする根拠は乏しい。

 また、内容が事実であれば首相の名前を使い自治体をだましたことになる。しかし、首相は「抗議する内容はない」と述べるだけだった。

 一連の疑惑の追及に、首相は「作られたストーリー」などと反論する始末で、誠実な答弁とは到底言えない。

 森友学園との国有地取引では、財務省が23日に交渉記録を公表した。

 昭恵氏付の政府職員だった谷査恵子氏が同省理財局に対し、森友の名前を出して問い合わせた際のやりとりがあった。これについても首相は従来通り「制度に関する問い合わせ」と答えた。

 同省は、問題発覚後に理財局職員が記録の廃棄を進めていた。さらに、国有地が16年6月に学園に払い下げられるまで、10年分割の支払い、8億円もの値引き、売却額の非公表など異例ずくめの手続きが重ねられたが依然、事実関係は曖昧なままである。

 同省が保存している記録や資料の中には、安倍政権への「忖度」からか、不都合なものを提出していないケースも少なくないという。

 これでは、真相解明はおぼつかないばかりか、国民の信頼回復も遠くなるばかりだ。