板東俘虜収容所のイベントプログラムを紹介した図録

 ベートーベンの「第九」アジア初演100周年に合わせ、鳴門市ドイツ館が所蔵資料の図録を初めて一般向けに作った。板東俘虜収容所で開かれた演奏会や舞台などのプログラム88点を紹介した。29日からドイツ館で販売する。

 図録はA4判130ページ。「板東俘虜収容所関係資料 イベントプログラム編」として、捕虜でつくる徳島オーケストラが1918年6月1日に演奏した「第九」コンサートのほか、演劇「シャーロックホームズ」や競歩大会など17~19年に行われたイベントプログラムの表紙や演目リストをカラーで掲載している。

 表紙のデザインにはリースや幾何学模様を取り入れ、花を描いて季節感を演出した。プログラムは謄写版(ガリ版)による多色刷りで、捕虜の高い印刷技術がうかがえる。
演奏風景や野外公演の様子などを収めた写真29点や舞台の背景画3点も収録。捕虜の音楽活動について調べた川上三郎前館長と長谷川純子学芸員の研究報告も掲載している。
 1000部製作。税込み1500円。問い合わせはドイツ館<電088(689)0099>。