小松島市は、2~3月に開いた市立小学校再編有識者会議の全3回の議事録を、市のホームページで公開した。市の再編計画について教育や防災、都市計画などの観点から出席者が発言した内容を記載しているものの、発言者の氏名はアルファベット表記で非公開となっている。情報公開の専門家は「誰が何を発言したかが極めて重要」と、市の対応を疑問視している。

 議事録は大学教授やバス事業者、学校長ら委員11人が会議で話し合った内容を収めた。専門的な見地から「炎上した車や船が津波によって校舎に流れ込むと校内火災が起きる。耐火構造の整った設計が望ましい」「南小松島小に新学校を建てるなら、現在の運動場に新校舎を造りつつ、体育の授業は近隣の学校を活用する方法がある」などの意見が詳しく記されている。

 市は会議の全委員の氏名と所属、役職の名簿をホームページで公開している。だが議事録に記された発言内容の隣にはA委員、B委員などと書かれているだけで、誰の発言か分からない。会議の設置要綱は「原則として公開」と定めており、傍聴も許可している。にもかかわらず、第1回会議の冒頭で決めた正副委員長の氏名も議事録では非公表だ。

 市は非公開の理由について「学校再編は人によってさまざまな考え方がある。意見の異なる委員が(ひぼう)中傷を受けないように配慮した」と説明する。

 これに対し、新潟大法学部の鈴木正朝教授(情報法)は「専門性を持った有識者として会議で意見を述べるのだから、誰の発言か公開するのは当たり前。市民生活に関わる学校の統廃合に関する話ならば、なおさら市民に知らせるべきだ」と指摘する。

 市は2019年に11小学校を4校に再編する案を発表したが、住民の反対署名運動を受けて白紙撤回。再検討と住民理解を得るために有識者会議を設置した。会議の内容を参考に新しい案を作るとしているが、公表の目標時期は定めていない。