健康や生態系に及ぼす影響を国がしっかり調査すべきだ。

 プラスチックごみによる海洋汚染が世界各国で深刻さを増す中、英国の大学などは、食事を通じて人が平均で年5万個超の微少プラを摂取している恐れがあると指摘した。

 魚介類を好む日本人の摂取量は世界平均を大きく上回り、最大13万個と推定される。どれだけの量が体内に蓄積されるのか。調査チームは「摂取による人体への影響は未解明」としつつ、「安全だという証拠もない」とした。

 世界では年間約1千万トン以上のプラごみが海に流出しているという。紫外線などで細片化が進むと5ミリ以下の微少プラとなり、魚介類などに取り込まれる。

 国内企業が昨年度、16都道府県で行った調査では9割以上の地点で微少プラが確認された。今や汚染されていない海や河川はほとんどないのが現実だ。

 汚染の広がりを踏まえれば回収、再使用、リサイクルの強化は当然だ。生産と消費の両面で総量規制も視野に入れ、社会の在り方を変えなければならない。

 プラごみを巡っては昨年7月、レジ袋の有料化が義務付けられた。脱プラへの意識を高めたが、レジ袋はプラごみ全体の数%にすぎない。

 来年4月の施行を目指す国の「プラスチック資源循環促進法案」は一括回収の導入などが軸となる。

 従来、多くの自治体がリサイクル用に分別回収するのはペットボトルや食品トレーなどに限られてきた。新法案は文房具、玩具などの回収も促す。

 飲食店や小売店には、ストローやスプーンなどの削減を義務付け、罰則を設ける。追加対策が実効性の高いものとなるよう、議論を尽くしてもらいたい。

 海洋汚染だけでなく、温暖化を防ぐ観点からも対策は急務だ。脱炭素社会の実現と一体の問題と捉えるべきである。

 環境省は今後、ごみ焼却場を整備する際の財政支援について、プラごみを資源として回収する市町村に限る方針を決めた。

 自治体によってはごみ焼却時に発電をしており、効率を良くするため、家庭のプラごみを可燃ごみとして集めているケースもある。環境省はリサイクル推進と同時に、焼却時のCO2排出を抑える狙いで、方向性は間違っていないだろう。

 日本は使い捨てが多いプラ容器包装の廃棄量が米国に次いで2位だ。にもかかわらず、対策の甘さと遅れが指摘され続けてきた。

 プラごみの排出量を限りなくゼロに近づける取り組みを、さらに加速させなければならない。