■徳島市、HPに報道への反論コーナー開設 経緯を振り返る

 徳島市の内藤佐和子市長は、阿波踊りを巡る徳島新聞の一連の報道には事実と異なったり、不適切な内容が含まれたりしているとして、徳島新聞社に記事の訂正と撤回、謝罪文の掲載を求めた。4月26日付で同社に抗議文を送付し、30日までに対応しなければ「法的手段の検討もせざるを得ない場合がある」とした。

 これに対し、徳島新聞社は30日付で「記事はいずれも適切な取材による事実の報道、あるいは事実に基づく妥当な論評の範囲にある」との回答書を内藤市長宛てに送付。5月1日付紙面で市から抗議があったことを報道し、社のHPに市の反論と徳島新聞社の見解を掲載した。

 抗議の対象となった記事は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、阿波おどり実行委員会が中止を決めた昨夏の阿波踊りの開催準備費用負担問題について書いた社説など計5本。3月9日から4月13日までの間に掲載された。

 中止は委員だった市長が実行委に提案し、全会一致で決めた。市長はその後、実行委員長に就任した。費用負担を巡っては、運営を委託されていたキョードー東京など民間3社共同事業体が、開催準備に要した約2100万円の分担のほか、固定納付金500万円の免除を実行委に求めていた。

 実行委は「資金を持っていない」などとして分担を拒否し、納付金の支払いを要求。3月末、納付金が支払われないのは業務不履行に当たるとして事業体との契約を解除するとともに、「事務局(市経済部)に一任した」との理由で事業体の協議要請に応じないまま解散した。

 徳島新聞の記事はいずれも、実行委と市長のこうした対応を批判している。市長は、自らの見解と異なる箇所を「事実と異なる点・不適切な点」として取り上げ、自身の見解を「正確な内容・適切な内容」と主張している。

 例えば、4月11日付「論説委員の目」の「市長は『実行委は形骸化している』と断じたが、それを招いたのはほかならぬ市長であり、市であろう」などとした部分について、市長は「実行委と徳島市は別組織であるにも関わらず、同一視しているように述べることは読者に誤解を与え、本市の社会的な評価を低下させる」と反論。これに対し、徳島新聞社は「実行委事務局の市が主体的に動いていたとの認識に基づく表現だ」との見解を示した。

 市は、HPに開設した「報道に対する市の見解・対応」のコーナーに反論の全文を掲載しており、今後も報道をチェックして継続的に自らの主張を掲載していく構えだ。5月10日には市の人事異動に関する徳島新聞の記事に対する抗議文を追加している。

 市長は11日の記者会見で「市としての見解は頻繁に打ち出していきたい」と発言。「HPへの掲載は市からの発信のみで一方的ではないか」という記者の問い掛けには、「新聞紙面に市の見解でないものが載せられるのも一方的ではないか」と返している。

徳島市がHPに開設した「報道に対する見解・対応」を打ち出すコーナー