地域住民に啓発グッズを手渡す篠原会長(右)=阿波市阿波町北原の自彊会堂

 6月1日の「人権擁護委員の日」を前に、徳島人権擁護委員協議会が徳島県内各地で啓発活動を行っている。新型コロナウイルスの影響で従来の街頭啓発を取りやめ、代わりに各委員が地域住民や知人ら身近な人に啓発グッズを渡すなど日常での発信を心掛けている。

 同協議会に加盟している阿波市人権擁護委員会の篠原えり子会長(70)は5月24日、同市阿波町の自彊(じきょう)会堂で地域住民に経験談を披露した。17年間の活動として、人権相談のほか、農業が盛んな地域特性を生かし、子どもたちに野菜の栽培を通じて命の大切さを伝えていることを紹介した。

 参加者の「これまでどんな大変な相談があったか」との質問に、篠原会長は「今から死にに行くという差し迫った電話もあった」と答え「人権擁護委の存在を知ってほしい。少し話すだけでも気持ちが楽になる」と続けた。

 参加した佐藤久恵さん(83)=阿波町北原=は「活動内容を初めて知り、命を守る大事な仕事と感じた」。篠原会長は「人と会える楽しさや、相談者の日に日に明るくなっていく声を聞くのがやりがい。人権擁護委をもっと身近に感じてもらいたい」と語った。

 協議会の大和忠広会長(67)は「コロナで活動の原点を振り返ることができた。日常会話の中での啓発は小さな動きかもしれないが、続けることでいつか大きな輪になると期待している」と話した。

 県内の人権擁護委員は180人(27日時点)。徳島、阿南、美馬の3協議会に分かれて活動している。