徳島県が5日から徳島市の高齢者向けに行う大規模集団接種で、同市以外の23市町村のうち小松島、阿南、那賀の3市町が接種対象に加わりたい意向を示していることが、徳島新聞社の調べで分かった。接種機会が増えるため、全ての高齢者が7月末までにワクチン接種を終えるとする国の目標が達成しやすくなるとしている。県の集団接種を巡っては、全自治体を対象にするとしていた当初の説明と異なるとして、県の対応を疑問視する自治体もあった。

 県の大規模集団接種は、徳島市のアスティとくしまで6月5日~7月15日に実施される。県は「人口が多く接種完了のハードルが高い」として、徳島市民に限定して接種予約を受け付ける。それ以外の自治体は、接種状況や各自治体からの要請を考慮して今後の対応を決めるとの方針だ。

 徳島新聞社が徳島市を除く23市町村に行ったアンケートでは、「県の大規模集団接種に加わりたいか」との問いに対して、5月27日に県に参加希望を伝達している阿南市に加え、小松島、那賀の2市町が「加わりたい」と回答。三好、海陽、石井、上板の4市町は「接種の進行具合により今後の判断が変わる」などとして、無回答またはその他回答だった。

 対象の自治体が拡大された場合、県に要望したい事柄としては「予約手続きの一本化と、モデルナ社製ワクチンを使用する場合は周知の徹底」(阿南)、「会場までの移動手段の確保」(三好)などがあった。

 16市町村は自治体独自の接種スケジュールが安定しているなどの理由から、現時点では集団接種への参加を希望していない。

 集団接種の進め方を疑問視する声もあった。県は5月10日に開いた市町村長会議で、全自治体を対象に集団接種を行うと説明していた。ところが、20日に飯泉嘉門知事が県議会臨時会で発表した詳細の中で、対象者は徳島市民のみと変更されていた。

 これについて小松島、美馬、勝浦、石井、神山、つるぎの6市町が「納得していない」と回答。「当初の説明と異なっており、市民が早期に接種する機会が失われた」(小松島)、「県から徳島市民限定となる可能性の説明がなく、会議を開催した意義がない」(つるぎ)などと批判の声が上がった。

 県ワクチン・入院調整課は「業務が重なり、各自治体に正確な説明ができず申し訳ない。今後も各市町村と連携して接種機会を増やしていきたい」としている。