ビデオ会議システムで学生たちと話す阿波銀行の行員=徳島市の同行本店

 政府主導のルールに基づき、2022年春卒業予定の大学生らを対象にした企業の採用選考が1日、解禁された。新型コロナウイルス流行下での採用活動は2年目となり、徳島県内の主要企業にはオンライン選考が浸透している。「学生の人柄や雰囲気がつかみにくい」といった声があるものの、各社は対面での面接と併用したり、試験のバリエーションを増やしたりと人材確保に工夫を凝らしている。

 昨年は急な対応でオンライン面接のみを行った阿波銀行は、ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を使ってグループ討論を始めた。今年は約1年かけて蓄積してきたノウハウを生かし、オンラインでの選考方法を増やした。担当者は「討論は面接とは違った自然体に近い学生の姿も見られる」と話す。

 従来より少ない時間や費用で選考活動ができるオンラインの特長を生かし、8月からは初めて2回目の選考活動を行う予定だ。

 例年100人以上を採用している日亜化学工業(阿南市)は昨年同様、全てオンラインで対応する方針で、今年から面接に加えてグループ討論を実施する。新型コロナの収束状況によっては、対面形式に切り替えることもあるという。

 徳島大正銀行はウェブでの試験を開始した。昨年と同様に面接は対面を基本とし、徳島と大阪の両拠点で行う。学生が緊急事態宣言の対象地域に住んでいる場合など状況に応じてオンラインにも対応する。

 新型コロナ流行から1年以上がたち、企業側も学生側も非対面でのやりとりに慣れてきたとして、今年からウェブを取り入れる企業もある。キョーエイ(徳島市)は企業説明会と1次面接に導入した。担当者は「県外の大学へ通う県出身者や家族に配慮し、帰省せずに選考を受けられるようにした」と説明する。2次面接は来社してもらう。

 昨年から一部にウェブを取り入れていた冨士ファニチア(板野町)は、説明会やインターンシップ、面接などを完全にリモート形式へと移行した。その結果、全国各地から応募が増えた。学生も多くの企業にエントリーシートを出しており、「内定を出しても来てくれないという懸念はあるものの、まずは認知してもらえたことが地方の中小企業にとっては大きい」としている。