店主だった夫が急逝し、跡を継いだ村上賀代さん=小松島市松島町の「島屋」

 創業して70年以上になる徳島県小松島市松島町の茶専門店「島屋」で、急逝した店主に代わり妻の村上賀代さん(55)が店の存続に向けて奮闘している。それまでは経営に携わっておらず、慣れない仕入れや配達などの仕事をこなす中、店内でのマッサージなど新たな取り組みも始め、夫が大切にした店を守ろうとしている。

 島屋は戦後間もなく開業した老舗で、20種類ほどの茶葉のほか急須や湯飲みなどを販売する。3代目だった夫の耕造さんが昨年1月に脳神経系の難病を患い入院。翌月に58歳で他界した。賀代さんはたまに店番をする程度の関わりしかなく、耕造さんが入院した時点で店をどうするかを迫られた。

 跡を継ぐ決心をしたきっかけは、常連客の励まし。配達先で耕造さんが入院したことを伝えると「島屋さんがなくなったら困るわ」「まだまだ続けてよ」と言われ、夫が大事にしてきた店を守り続けようと思った。

 鹿児島や京都にある茶葉の仕入れ先との連絡、慣れない場所への配達、金銭の管理など、引き継いだ直後は分からないことばかり。取引先や近所の商店仲間から経営のアドバイスをもらい、何とかやり繰りしてきた。

 仕事に慣れ始めた頃、顧客の開拓につなげようと、新しい試みを始めることにした。昨年7月からマッサージ師の資格を生かし、店内にベッドを置いて体のもみほぐしサービスを開始。今年2月にはパソコン教室に通い始め、店のホームページ(HP)を制作した。

 賀代さんは「コロナ禍で個人商店はどこも厳しい。自分にできることは何でもやりたい」と、店内に掲げている夫の遺影に目を向けた。

 午前9時半~午後6時。土日曜と毎月最終月曜は定休。マッサージはもみほぐし30分2千円など。事前予約制。問い合わせは島屋、電話0885(32)0303。