キョーエイ新社長の埴渕恒平氏

 徳島県内で食品スーパー30店舗などを展開するキョーエイ(徳島市)のトップが22年ぶりに交代した。新社長の埴渕恒平氏(37)は徳島新聞のインタビューに対し、電子商取引(EC)を中心とする新規事業に注力する方針を強調。産直コーナー「すきとく市」の県外店舗を200店に増やす考えも明らかにした。

―今の心境は。

 新型コロナウイルス禍で世の中の価値観や常識は大きく変わった。この時期の社長就任は変革のチャンス。よりよくするという意味で、会社としても変わるいいきっかけにしたい。

―どのようなかじ取りをする考えか。

 「すきとく市」や移動スーパー「とくし丸」などの既存事業は差別化戦略の一つとなっている。経験やノウハウを持った(埴渕一夫)会長と一緒に進め、さらに磨き上げていく。一方、既存事業だけではじり貧になる。挑戦が不可欠で、その結果にこだわりたい。まずはECをはじめとする新規事業を推し進める方針で、こちらは私が率先して立ち上げる。

―具体的には。

 新規事業はECが中心となる。3本柱のうち、一つは靴専門店のチャップリン。3月に通販サイト「アマゾン」に出店して以降、毎週売り上げを伸ばし、5月のEC比率は10%となった。夏に「楽天市場」、年度内には「ヤフーショッピング」への出店を計画している。10月までにタクト店でネットスーパー事業も始める。徐々にエリアを広げ、まずは徳島市内のカバーを目指す。産直ECも考えている。

―徳島の市場をどうみるか。

 人口減少が進む中、恐らく客数も減っていく。極めて厳しい市場だと思う。徳島の実店舗に加え、EC比率や県外での売り上げ構成比率を高める必要がある。県外のすきとく市は関西を中心に6月1日時点で132店舗展開しているが、200店舗を目指す。県内でも既存店を強化するほか、徳島市内での新規出店と移転を考えている。コスト削減による損益分岐点の引き下げにも取り組む。

―あらためて抱負を。

 社是「市民生活を守る砦(とりで)となれ」はこれからも大事にする。ただ、時代の変化とともにもっと大きな役割を担っていかないといけなくなっていると思う。実店舗のお客さまに満足してもらった上で、1次産業従事者や地場のメーカーが、キョーエイを通して販路を拡大し、地域が活性化されるようなプラットフォーマーになっていきたい。