高齢者向けの新型コロナウイルスワクチン接種で、徳島市が個別接種に対応しているとしてホームページに掲載した134医療機関のうち少なくとも45機関が、コールセンターなどの予約システムを使わず、直接予約を受け付けていたことが徳島新聞の調べで分かった。この影響で予約の機会を逃した人もいるとみられ、市の周知不足が改めて裏付けられた。

 市のホームページの「新型コロナワクチン接種医療機関一覧表」に5月25日時点で掲載されていた134医療機関に電話し、87機関から回答を得た。

 このうち、コールセンターや専用サイトといった市の予約システムを使わず、電話や来院時に直接予約を受け付けたと答えたのは、約52%の45機関だった。

 市医師会によると、かかりつけ医が3月ごろから、基礎疾患や持病などで重症化リスクの高い高齢者が来院した際、接種の意向を確認していた。

 市医師会は4月16日、市の予約システムによる申し込みを受け入れるかどうか各医療機関に問い合わせた。この際、接種が見込まれる患者をある程度抱えていた機関の多くが、接種以外の診療業務への影響などを考慮し、市のシステムを使わない決断をしたとみられる。

 しかし、市は医療機関での予約について、5月26日に発表した文書で見解を修正するまで「推奨していない」(内藤佐和子市長)などとしていた。このためコールセンターに電話が集中。かかりつけ医が市の予約システムを使っていなかったために申し込めなかった高齢者が相次いだ。

 電話がつながらず、結局かかりつけ医で直接、今月下旬の接種を予約した同市昭和町の主婦(69)は「かかりつけ医で予約ができるのであれば、市は最初からそう広報すべきだった」と憤った。