駐車場で稽古に励む団員=北島町江尻

 発足直後に新型コロナウイルスに見舞われ、本格公演の機会を逃していた徳島県内のアマチュア劇団「todokeru,(とどける)」が19、20両日、北島町の国登録有形文化財「藤田家住宅」で念願の旗揚げ公演を行う。練習場所の確保にも苦労してきた団員は、コロナ禍の中に演劇文化の灯をともそうと稽古を積んでいる。

 劇団は、学生時代から演劇を続けてきた大木茂実代表(42)=徳島市川内町金岡、会社員=と、呼び掛けに応じた県内の20~40代の6人で構成。2020年2月に発足し、夏の旗揚げ公演を企画していたが、コロナ禍で先送りせざるを得なくなった。

 団員はいつか公演ができると信じて稽古を重ねた。国が緊急事態宣言を出した4月以降は団員が集まる稽古を控え、ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を使った読み合わせなどに切り替えた。著名な演出家や劇作家が指導するオンライン講習に参加して表現を磨き、小説を基にした短編芝居を動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開する試みも行った。

 旗揚げ公演で上演する「フーコの家」は、一軒家で暮らす20代の女性フーコと、その家を訪れる人々が織りなすオリジナルストーリー。約500回の即興演劇を通して大木代表が団員の性格や雰囲気を把握し、それぞれに合う役柄が登場する台本を約2カ月半かけて書き上げた。

 県内のコロナ感染状況は予断を許さない。稽古場に借りていた北島町役場庁舎は貸し出しが中止されたままで、団員の自宅駐車場などで週5回の練習に励んでいる。

 大木代表は「公演前日まで油断はできないが、幕を上げられると信じて日々の稽古を重ねていく」と話している。

 公演は19日が午後2時と5時から、20日が午前11時と午後3時から。料金1200円、完全予約制。問い合わせは大木代表、電話090(6287)4090。