2017年の全国豆腐品評会充填(じゅうてん)部門で金賞を受賞した日本一の豆腐「充填こいまろ」を製造している桑原豆腐店が同年9月、店舗の一角を改装してカフェをオープンさせた。購入した豆腐をすぐに味わいたいという客の要望に応えるとともに、豆腐を使ったスイーツを提供して新たな切り口で豆腐のおいしさを広めることが狙いだ。

佐那河内村の国道沿いにある豆腐店。店内にカフェスペースがある

 食事系のメニューは、冷ややっこ(300円)と豆腐サラダ(300円)の2種類。どちらも同店自慢の豆腐のおいしさをストレートに味わえる。スイーツ系のメニューにもすべて大豆の味が濃厚な「充填こいまろ」が使われており、シロップ豆腐(300円)は台湾の豆花(トウファ)をヒントに、ざらめをベースにした自家製シロップを掛け、ピーナツの甘煮を載せている。濃厚な味わいの豆腐に甘さ控え目のシロップがよく合う。

シロップ豆腐

 人気の豆腐プリン(350円)はクリーミーな食感にこだわり、豆腐を1度こした後、牛乳やゼラチンを加える度に繰り返しこすという手間暇掛けた一品だ。滑らかな食感に加え、卵を使っていないためさっぱりとした味わいに仕上がっている。

クリーミーな豆腐プリン

 スムージー(300円)は、プリンと並ぶ人気メニュー。豆腐に少量の牛乳を加えて伸ばすことで、甘く濃厚な味わいを生かしつつ滑らかな舌触りを実現している。そのままでもおいしいが、好みできな粉を加えることで香ばしさがプラスされ、異なる味わいを楽しめる。「飲むと腸の調子が良くなりますよ」と、カフェを担当する桑原由美さん。スムージーだけでなく、どのメニューも豆腐を使っているだけにヘルシーなのがうれしい。

スムージー。一緒にきな粉が付いてくる。


 店内のテーブルは、ドラム缶を脚に使ったユニークなもの。壁には、豆腐のパッケージなどに使われているキャラクターをデザインしたJ子さんのイラストが飾られ、ほのぼのとした雰囲気だ。

思わず笑顔になるような店内

 カフェのメニューを持ち帰ることはできないが、豆腐は購入できる。同店の製品は最近では県内のスーパーにも並ぶようになったが、賞味期限が短い一部の商品は店でしか買えず、県内外からリピーターが訪れている。桑原さんは「濃厚な豆腐を食べて『豆腐はこんな味だったんだ』と感じてもらえたら」と来店を心待ちにしている(価格は税込み)。

店内の豆腐販売コーナー

 徳島県佐那河内村上宮前64-3

 営業時間 午前10時~午後6時(金曜は午後8時まで)
 定休日 日曜
 駐車場 店舗前に6台
問い合わせ〈電088(679)2409〉