路線図が掲げられたバス待合所。当時はこのようなバス停留所が各地にあった=1965(昭和40)年、宮城文孝さん提供

 なんとも懐かしい光景だ。道路に面した雑貨店に掲げられたバスの路線図、その下に徳島バス折野待合所と大書されている。

 この写真は1965(昭和40)年に鳴門市北灘町折野で撮影されたもの。右に見える車が1台だけ走っている広い道路は国道11号である。

 当時はこのようなバス待合所が徳島県内各地にあった。鉄道の通っていない場所ではバスが公共交通の主役で、路線も網の目のように張り巡らされていた。

 待合所はどことも、この写真のような雑貨店が兼ねていた。バスの乗車券だけでなく、清涼飲料水やお菓子にタバコ、日用雑貨を購入することができ、コンビニエンスストアのような存在だった。

 今でも山間部に行くと、バス待合所の名残のある商店を見かけるが、多くが扉を閉め、バス路線が既に廃止された所もある。この写真からは過疎化や自動車の普及に伴う交通体系の変化も見ることができる。