徳島県のとくしま記念オーケストラ事業に絡む脱税事件を巡り、有罪判決を受けた音楽プロダクションの元代表と、県や県文化振興財団の担当者が経費の算定などについてメールでやりとりしていたとみられることが、関係者が入手した資料から分かった。県や財団側からのメールには見積書や請求書のデータが添付されており、「県や財団側が見積書や請求書を作成していた」との元代表の供述を裏付ける内容となっている。

 関係者が入手した東京地検の刑事確定訴訟記録に、元代表のパソコンに残っていた元代表宛てのメールの写しが含まれていた。2014年1~4月のメール5通は「見積書について」「演奏会の経費について」などと題名が付いており、それぞれ資料を添付。差出人の名前は黒塗りになっているものの、県や財団の職員でつくる財団内の「音楽文化創造チーム」と記されていた。

 メールは「押印の上、ご持参ください」「とりあえず会計処理を行うために作成する」「支払額が決まりました」などと書かれており、創造チームが直接、関わっていることがうかがえる。創造チームが「指揮料」「演奏料」など経費を算定したとみられる資料も添付されていた。

 17年10月の東京地検の取り調べに対し、元代表は「創造チームの担当者がかかった経費を確認した上で作成してくれた」と供述。これらのメールについて元代表は創造チームから受け取ったと答えている。

 これまで県は、委託業者がプロダクションに発注していたことから「民間事業者同士の取引」としてきたが、メールのやりとりによって県の説明が事実と異なる疑いが強まった。

 県文化・未来創造課の内海はやと課長は「当時のメールは残っておらず、確認できない」としている。