15番札所・国分寺の庭園。巨石を組み合わせて枯れ山水を表現している=徳島市国府町

 弘法大師空海ゆかりの四国霊場札所を巡るお遍路の旅が、根強い人気だ。手軽に楽しみたい向きには、徳島市の5寺をまとめて回る「五カ所まいり」はどうだろう。市西部の国府町、一宮町に集中しており、行程約16㌔。車でなら、数時間で十分だ。

 「五カ所まいり」は江戸時代から、信仰と行楽を兼ねた庶民の楽しみとして親しまれた。順番に紹介すると、13番大日寺(一宮町西丁)、14番常楽寺(国府町延命)、15番国分寺(国府町矢野)、16番観音寺(国府町観音寺)、17番井戸寺(国府町井戸)。宗派は国分寺が曹洞(そうとう)宗で、ほかの4寺は真言宗だ。

 これらの札所には、見どころも多い。常楽寺は岩盤を削った跡が荒々しく残る「流水岩の庭園」(国史跡)、国分寺には桃山様式の枯れ山水庭園(国名勝)がある。井戸寺には水不足に苦しむ住民のため、弘法大師が錫杖(しゃくじょう)で掘った「姿見の井戸」が伝わる。

 札所巡りをする際、忘れてはならないのは各寺の本尊(大日如来、薬師如来など)をまつる本堂に加え、弘法大師をまつる大師堂に必ず参ること。“お大師に帰依します”という意味のご宝号「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」を唱えたい。コロナ禍が終息し、平穏な日々が訪れることを願いつつ。

〈2021・6・22〉