新ホール建設のため、解体される徳島市社会福祉センター=徳島市徳島町城内

 徳島市文化センター跡地に県が計画している新ホール建設に伴い、敷地の一部として活用する市社会福祉センターが近く解体される。センターに拠点を置く市身体障害者連合会など4団体は新たな施設に移転するものの、交通アクセスなどの面で不便になり、利用者の活動に支障が出かねない事態になっている。

 市身体障害者連合会、徳島地区保護司会、市シニアクラブ連合会、市母子寡婦福祉連合会の4団体は1月中旬、市からセンター解体の報告と移転要請を受けた。2022年秋までに別の施設に移るよう求められたという。

 「寝耳に水の話で、正直困った」と話すのは、徳島地区保護司会の吉永節夫会長(73)。市が移転先として紹介したのは富田橋2の市社会福祉センター分館で、駐車場がなく徳島駅前から南に1・5キロ離れている。「交通の便が悪いと保護観察の面談を受けに来る人の足も遠のくので、市中心部(の移転)が理想。保護司の役割を理解し、協力してもらいたい」

 沖浜東2のふれあい健康館に事務局を移すよう提案された市シニアクラブ連合会と市母子寡婦福祉連合会も同様の状況。交通の便が悪くなるため、半日で終わっていた会議が1日がかりになる人もいるとみられ、参加者が減少しないか気をもむ。

 市シニアクラブ連合会は会場を借りる費用の高騰に頭を痛める。囲碁クラブを週1回開いている山本清山さん(77)によると、社会福祉センターでは約100人の受講者が会場を無料で利用できていた。ふれあい健康館は空きが少なく定期開催が難しい。その上、100平方メートル以上の会場を使う際は1回当たり7千円以上の使用料がかかる。「月500円の会費では、とてもやっていけない」と訴えた。

 市身体障害者連合会は、センターから市道を挟んだ市役所新蔵分庁舎への移転を提案されている。林德太郎理事長(81)は「市の提案を受ける以外に選択肢はない」としつつ「既存の福祉施設を取り壊すのなら、より良い施設を用意するのが政治の在り方ではないか」と疑問を投げ掛ける。「年に何回使うか分からない2千席の大ホールのために、年に2万5千人超が利用する小さなセンターがなくなる事実を今一度かみしめてもらいたい」と語った。

 徳島市社会福祉センター 1977年に建設され、鉄骨鉄筋コンクリート3階建て延べ約1千平方メートル。徳島地区保護司会など4団体が事務所を置く。新型コロナウイルスの感染拡大前までの利用者は年間延べ約2万5千人。2021年1月、県が整備する新ホールの敷地に活用するため、市が解体を検討していることが分かった。