新型コロナウイルス対策のため、多くの中学3年生にとって進路選択の一助になる徳島県立高校の体験入学の中止が検討されている。中止になれば2年連続。県教委や県中学校長会は、体験入学に代わる生徒への情報提供を要望しており、各高校では学校紹介の動画を作成してホームページで発信するなどの対応を考えている。

 体験入学は中学生が模擬授業を受けたり、部活動を見学したりして高校生活の一日を体験する取り組み。学習意欲を向上させ、自分で希望校を決める主体性も育まれるとして、20年ほど前から夏休み期間中に実施している。

 5月上旬に県高校長協会の儀宝修会長=徳島科技高校長=と、県中学校長会の杉本恭介会長=徳島中校長=が意見交換し、「現状では夏休み中の開催は難しい」との認識で一致。高校長協会の役員からも理解が得られたという。体験入学は県外からも参加が見込まれるため、杉本会長は「多くの生徒が集まれば感染対策も難しくなる」と話す。

 昨年度は、3月から臨時休校が約2カ月半続いた影響で、中学・高校とも授業時間を確保するため夏休みを短縮した。県教委は8月末まで体験入学を実施しないよう各校に通知し、中止となった。各高校は体験入学の代わりに、10~11月に授業が見学できるオープンスクールや、高校の教員が中学校に出向く進路説明会、オンラインでの実験教室などに力を入れた。

 儀宝会長は「混乱を避けるため、各学校には早めに方向性を示した。最終的に開催するかどうかは校長の判断になる」と説明。県教委学校教育課は「感染状況にもよるが、中学生が気落ちしないよう、時間帯をずらすなど各校に工夫して開催してもらいたい」と、9月以降の実施に期待している。