試合を終え、笑顔を見せる中(前列左から3人目)、宮本(同4人目)と、池田の3年生=13日、池田高体育館

 部員が3年生の2人だけとなり、5、6月に行われた徳島県総体に出場できないまま休部することになった脇町高女子バスケットボール部の送別試合が13日、池田高の全面協力で実現した。「最後に思い切りプレーしたい」と望んだ脇町高の2人の願いを池田高の3年生部員がくみ取り、脇町のユニホームを身に着けて同じチームとしてプレーした。脇町の2人は「先生や池田の選手のおかげで悔いを残さずに終われた」と爽やかにコートに別れを告げた。

 試合は三好市の池田高体育館で行われた。脇町の3年生部員は、三野中時代から共にプレーしてきた主将の中夕莉(なか・ゆうり)と宮本楓(かえで)。この2人に池田の3年生の近藤暖花(ほのか)主将=三野中出身=ら9人を合わせた11人が、胸に「Wakimachi」と書かれた白いユニホームに身を包み、試合に臨んだ。対戦相手は黒を基調としたユニホームの池田の1、2年生だ。

 午前9時15分に試合が始まると、「脇町」ベンチにいる池田の3年生から「がんばれー、わきまち」と大声援が飛ぶ。宮本がレイアップシュートを決めれば、中もサイドから切り込んでジャンプシュートを繰り出す。池田の3年生も県総体の準々決勝で敗れた悔しさをぶつけ、全員がコート狭しと躍動した。

 試合は61―51で「脇町」の勝利。中と宮本が挙げた5点ずつ、計10点の差で勝った形となった。中は「池田のおかげで試合ができてうれしかった」と喜び、宮本は「夕莉が一緒だったからここまで頑張れた。楽しめました」と涙を拭った。

 バスケの魅力を「力を合わせて勝利を目指すところ」と口をそろえる2人が最後に公式戦を戦ったのは、1学年上の先輩らと共に出場した昨年10月の全日本高校選手権徳島県予選。1月の県高校新人大会は部員不足で出場できず、4月に期待していた新入部員も現れなかったことから、総体の出場はかなわなかった。

 それでも2人は、男子の部を支えるため、4月以降も部活動を続けた。マネジャー業務のほか、練習パートナーとして男子の重いボールを懸命に操った。

 5月29日、男子が出場する県総体の試合会場に向かう車中、副顧問の松岡洋介教諭が試合をしたいかを問うと、2人は「したいです」と即答。戸井恵監督を通じて池田の松田初恵監督に送別試合のプランが持ち掛けられた。松田監督は県総体が終わった後の8日、送別試合への参加希望を募ったところ、池田の3年生9人全員が「脇町のためなら」と迷わず手を挙げたという。

 送別試合で主審を務めたのは脇町の戸井監督。全力を出し切る教え子のプレーに時折涙を流しながらジャッジを続け、「(中と宮本は)部員が少ない中でもこつこつと努力して、人としても成長してくれた。池田の選手が脇町のユニホームを着てくれて、本当にありがたかった」と話した。