内藤佐和子市長

 徳島市の内藤佐和子市長は、市議会3月定例会で月額給与の削減率を50%から15%に緩和する条例改正案が否決されたのに伴い、4月から本来の給与を満額受け取っている。3月の記者会見では、否決を受けて「対応を検討する」としたものの、いまだ具体的な動きは見られない。

 条例で定める市長給与は月額111万8千円。内藤市長は昨年4月の市長選で「財政状況の好転が見られるまでの間」の50%削減を公約に掲げ、6月から月額給与を55万9千円としていた。

 今年3月の市議会定例会では「財政状況に好転の兆しが見えてきた」として、削減率を15%に緩和する条例改正案を提出。可決されれば、4月から95万300円になる予定だった。

 ところが、緩和を阻止する野党議員のほか、与党議員の一部が削減率をゼロに戻す目的で反対に回り、改正案は否決された。市長給与を減額する際、市は毎年度末を期限としており、その度に議会に改正案を提出する。否決の結果、4月から満額支給となった。

 市長は3月下旬の記者会見で「満額になったことには私自身が当惑している状況」としたものの、「カットするのか、満額とするのか、そういう意味で対応を協議している」と具体的な方針は明言しなかった。6月定例会には削減に関する条例改正案は提案されていない。

 徳島新聞の取材に対し、市長は「検討中」とコメントした。

 地方自治に詳しい鳴門教育大の山本準客員教授(社会学)は「市長職を考えれば、個人的には満額をもらっていいと思う」とした上で、「削減率の緩和や改正案の否決など一連のやりとりは理解しにくい。もっと市民が納得できるよう説明するべきだ」と提言する。

 副市長ら他の常勤特別職の給与も同じ条例改正案に盛り込まれており、昨年7月から今年3月末まで10%削減されていた。現在は市長と同様に削減率はゼロとなっている。