ドローンを使った物資運搬の実証実験。那賀町は本格活用へ地域商社を設立する=2017年9月、同町横石

 那賀町が、小型無人機ドローンを使って農林業の活性化を図る「地域商社」の設立を進めている。県版ドローン特区として実証実験に取り組んできた成果を踏まえ、ドローンによる苗木搬入や農作物消毒などの実用化を想定。高齢化や担い手不足などの課題を解決するため、本格活用に乗り出す。

 町は2015年に県版ドローン特区の指定を受け、翌16年にドローン推進室を設置。「日本一ドローンが飛ぶ町」を目指し、診療所から民家への処方薬の運搬、山林での苗木の確認など10回の実証実験を行った。町内でドローンレースを開いたり、国際ドローン展に出展したりするなどPRにも力を入れてきた。

 町は具体的にドローンを使った活性化を図るため、地域商社づくりを構想。昨年7月に「町農林業活性化推進協議会」を設立し、農林業の関係者や学識経験者らが課題の整理などを行ってきた。

 町は協議会で決めた地域商社のコンセプトや方向性をベースに、地域商社の実施主体となる企業や団体を5月に公募。1社から応募があり、今後、企画書やプレゼンテーションを審査して6月下旬に事業者を決定する。協議会の承認が得られれば、8月にも発足させる。

 地域商社は、町から独立した組織とする。どのような法人格にするかは未定で、事業内容も事業者の提案次第だが、当面は町や協議会と話し合いながら決める。苗木搬入や農作物消毒のほか、人工知能(AI)を活用した木材の寸法検査などを視野に入れている。

 22年度までは町が運営を助成。21年度は国の地方創生推進交付金を活用し、1千万円を交付する。