路線バスとして運行するボンネットバス=三好市池田町サラダ

 四国交通(三好市井川町)は17日、老朽化で引退する予定の観光用ボンネットバス「秘境の小便小僧号」の特別運行を始めた。市内の観光地・祖谷渓や大歩危峡を巡るツアーで走らせているバスは11月に観光用としては引退することになっており、最後の機会に住民に乗ってもらおうと路線バスとしても活用する。不定期で月1回ほど通常バスの代わりに路線を1往復させ、12月以降も可能な限り続ける。

 この日は池田町の阿波池田バスターミナルから井川町井内東までを結ぶ井内線(片道12・3キロ)で往復し、25人が乗車した。初めて乗ったという池田高校辻校3年の平西湖南さん(17)は「見た目も存在感があった。引退するまでに貴重な体験ができてよかった」と話した。

 バスには運賃や切符の自動設備がないため、車掌が乗り込んで対応する。観光用として使う11月まではツアーがない日に走らせ、12月以降も安全面を考慮しながら運行。路線を走る様子を撮影し、動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信する。

 同社は、1966年に生産されたボンネットバスを当初は路線バスとして走らせ、82年からツアーで活用してきた。レトロな雰囲気が人気を集めてきたが、半世紀にわたる走行で修理箇所が増えるなど維持が難しくなった。同社は「応援してくれた地元の人へ感謝を伝えたい。昔ながらの雰囲気を楽しんでもらえれば」としている。