板東の交流を伝える展示室の開設を目指す林瑞子さん=鳴門市大麻町板東

 第1次世界大戦中、鳴門市大麻町にあった板東俘虜(ふりょ)収容所のドイツ兵捕虜と住民の交流の歴史を伝えたい―。板東研究に取り組んだ市出身の郷土史家、故・林啓介さん=2015年に81歳で死去=の長女瑞子さん(55)=徳島市福島1=が、鳴門市内の生家の一角を活用し、展示室開設を計画している。当時の写真や啓介さんの著書を集め、来年5月のオープンを目指す。

 展示室は「豊の部屋」と名付ける予定。収容所で郵便配達員として働き、松江豊寿所長とも親交があった祖父豊さんの名にちなんだ。

 豊さんや啓介さんが過ごした鳴門市大麻町板東の生家のうち約20平方メートルを、土間とフローリングの空間に改装した。土間には啓介さんの著書をはじめとする収容所関連の資料や、ドイツ兵捕虜と豊さんが並んだ写真、啓介さんが捕虜の子孫と一緒に収まる写真などを飾り、パネルで交流の様子を解説する。フローリング部分には大型モニターを設置し、関連映像などを上映する予定。

 開設後は、地域を訪れる人の案内や、地元の子どもたちへの読み聞かせ、講演などの活動も計画している。

 瑞子さんは「祖父の代に始まり、父が研究を続けた交流の歴史を引き継ぎ、後世に残したい。古里への愛着を育み、地域交流の拠点となる場所を目指す」と話している。

 資金をクラウドファンディング(CF)で募っている。CFサイト「READYFOR(レディーフォー)」で7月末まで。目標は100万円で、本棚の設置や看板作りなどに充てる。寄付者には返礼品として市ドイツ館と賀川豊彦記念館の入場券を贈る。問い合わせは瑞子さん、電話090(9557)4411。