水槽に漂うプラスチックごみを前に、展示の思いを語る若月館長=高知県室戸市

 高知県室戸市の「むろと廃校水族館」で一風変わった企画展が行われている。水槽の中でゆらめくのは数々のビニール袋や、ウミガメに絡まっていた餌木(えぎ)と呼ばれる釣り道具など。多彩な魚介類が生息するのも、多くのごみが漂うのも、海の本当の姿というメッセージが込められている。

 水族館2階の大小三つの水槽があるコーナーで「あたらしい海の仲間たち」と題して展示。昨年6月、室戸沖の定置網にかかったウミガメ「オサガメ」の死体を解剖した際に体内から見つかったプラスチック製のレジ袋などもある。

 来場者は、ウミガメや魚たちの展示コーナーを経て現れる企画展に、思わず神妙な面持ちに。同県香南市から夫婦で訪れていた男性会社員(32)は「人間が出したごみで海の生物に影響が出ているというのが実感できた。大したリアクションはできないけれど、インパクトはあった」と話していた。

 水族館の若月元樹館長は「海辺には、ペットボトルのふたをすみかにしたヤドカリもいる。思ったより海は深刻とか、海洋プラスチック問題が進んでいるとかと言葉で説明するより、本物の展示がいいと思った」と思いを語る。

 企画展は昨年11月に始まり、新型コロナウイルスの影響でストップしている学校の見学が再開するまでしばらく続ける予定。

 同水族館は廃校の校舎やプールを活用し、2018年4月にオープン。今月6日、開館から3年余で来場者が40万人を突破した。

【動画】https://youtu.be/pEupdos2-jo