営業時間短縮で客足が減った繁華街=5月、徳島市栄町

 2020年度の1年間に徳島県内のカラオケ店やカラオケ設備のあるスナックなど少なくとも100店が閉店していたことが分かった。新型コロナウイルスの感染拡大でカラオケの自粛が要請される中、客足が遠のき、業績が悪化したのが要因。変異株のまん延で本年度に入っても閉店の動きは続いており、影響は長引く可能性がある。

 県社交飲食生活衛生同業組合や県内のカラオケ会社などによると、昨年度はスナックやラウンジ、カラオケボックス、居酒屋などが、閉店に伴ってカラオケ機器のリース契約を解除するケースが相次いだ。

 閉店数は、初めて緊急事態宣言が発令された昨年4、5月が5割近くで最多。県内で流行「第2波」となった8月と、9月が合わせて4割ほどと上半期だけで大半を占めた。閉店の理由は「コロナ禍で営業継続が困難になった」がほとんどで、所在地は徳島市の繁華街が6割ほどに上る。4、5月に繁華街のスナックなどの閉店が相次ぎ、その後は郊外に広がっていた。変異株のまん延による影響で、今年4月以降も10店ほどが閉店か、閉店する見通しだ。

 カラオケ業界では、当初からコロナ禍の感染リスクが指摘され、県内でも阿南市や小松島市で関連するクラスター(感染者集団)が発生。感染者が減少傾向となった現在も全国的にカラオケの利用自粛が呼び掛けられており、業界全体に閉塞(へいそく)感が漂っている。

 徳島経済研究所の荒木光二郎専務理事は「コロナ禍で閉店した店舗数の把握は難しく、判明した100店は氷山の一角だろう。娯楽業や飲食サービス業は壊滅的な打撃を受けている」と指摘。ワクチン接種が進む海外では人の流れや経済がコロナ禍前を上回っている国もあることを挙げ「(ワクチン接種による)集団免疫の獲得が一番の景気対策であり、感染が落ち着いたら経済を回す施策で業界を後押しする必要がある」と語った。