徳島県議会の6月定例会が21日、開会する。新型コロナウイルス感染拡大の「第4波」では、県内で千人を超える感染者が確認され、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)したほか、地域経済に影響が広がった。県の対応は適切だったのか検証が求められる。新たな問題が明らかになった県のとくしま記念オーケストラ事業も議論に上りそうだ。

 新型コロナの感染者は、県内で3月下旬以降に増え始め、4月は過去最多の773人、5月は2番目に多い312人に上った。確保病床の使用率はピーク時に75・3%に達し、4、5月の死者は計43人となった。感染傾向の把握や拡大防止策、県民への情報発信など、この間の県の対応を点検し、「第5波」への備えを確認しておく必要がある。

 県は4月、県内全域の飲食店に初めて時短を要請した。応じた店舗には協力金が支給されるものの、売り上げの規模が大きい店などからは不満も聞かれる。観光キャンペーン「とくしま応援割」の停止によって観光・宿泊業者は打撃を受けるなど影響は幅広い業種に及んでおり、経済対策の議論も欠かせない。

 とくしま記念オーケストラ事業に絡む脱税事件を巡っては、有罪判決を受けた音楽プロダクションの元代表が東京地検の取り調べに対し、経費の見積書や請求書を、県や県文化振興財団の職員でつくる音楽文化創造チームが作成していたとの趣旨の供述をしていたことが分かった。県はこれまで、委託業者とプロダクションによる「民間事業者同士の取引」と県議会の答弁などで説明していた。県側が直接関与していた可能性が指摘されており、十分な説明が問われている。

 飯泉嘉門知事の5期目の任期が折り返しを過ぎた。これまでの県政運営や今後の政治姿勢などを巡る論戦も期待される。