甲冑の3D画像の一部(画像作成・徳島大総合科学部空間情報論研究室、立命館大情報理工学部CG第1研究室、シュルード設計)

 徳島城博物館(徳島市)が、徳島大、立命館大アート・リサーチ・センター(ARC)と共同で、博物館が所蔵する徳島藩主蜂須賀家の甲冑(かっちゅう)の3Dデータ化を進めている。甲冑の魅力を広く発信するのが目的で、国内の博物館では初の試みという。

 3Dデータ化するのは8代藩主宗鎮(むねしげ)が所有した「紫糸(むらさきいと)威(おどし)大鎧(おおよろい)」や、12代藩主斉昌(なりまさ)の「紫糸威胴丸(どうまる)具足 六十二間筋兜付(けんすじかぶとつき)」など5領。2019年に徳島大総合科学部の塚本章宏准教授が博物館に協力を要請し、共同研究として始まった。

 立命館大情報理工学部の田中覚教授の研究室と京都市のソフトウエア会社が共同開発した専用ソフトを使用。兜や胴など約30の部位ごとに200~300枚の写真を撮り、データを作成している。20年までに2領の撮影を完了しており、今夏に残り3領を終える予定。

 作成した2領の3D画像の一部を、今月から博物館のホームページで公開している。透過させて内部の構造も確認できるのが特徴。今後、データベースと閲覧システムを構築し、パソコンやスマートフォンで見られるようにする。

 博物館は所蔵する甲冑を年に数回、1領ずつ交代で展示している。今冬に甲冑を中心にした企画展を計画しており、共同研究の成果を発表する予定。

 塚本准教授は「共同研究を通じて徳島藩と蜂須賀家の歴史、美術工芸資料の公開を新たな形で行うことで、徳島の歴史や文化に対する市民の関心を高めたい」と話している。