任期満了に伴う三好市長選が7月4日に告示される。現時点で立候補を表明しているのは徳島県議の高井美穂氏(49)=同市三野町太刀野山、無所属=のみ。選挙を前に、市が抱える課題を探る。

 「行財政改革を喫緊の重要課題と位置づけ、職員の意識向上と住民目線に立った改革に努めていただきたい」「早急に財政健全化に関する委員会を設置し『聖域なき行財政改革』を」。市民ら6人でつくる行財政改革推進委員会が4月、黒川征一市長に提出した答申書には厳しい文言が並んだ。市長から行財政改革について諮問を受け、2019年4月から計8回の審議を経てまとめたものだ。

 委員会が危機感を示したのは、21年度が市の財政運営にとって大きな分岐点を迎えたことが背景にある。自主財源比率が20%前後と依存体質の中、頼りにしてきた地方交付税の合併優遇措置は20年度に終わった。交付税は16年度からの5年間で段階的に削減され、21年度当初予算は削減前の15年度と比較して約18億円減った。

 元市職員で建設部長や環境福祉部長を務めた委員会の高畑敏行会長(69)は「合併当初と比べて職員の危機意識も薄れている。人口減が進み、市税や地方交付税の増加が見込めない以上、一層の歳出削減が必要だ」と語気を強める。

 市も手をこまねいていたわけではない。合併直後の07年から集中改革プランや行財政改革実施計画を策定し、財政健全化に取り組んできた。その大きな柱が人件費の削減だ。市発足時の06年度は567人(普通会計)だった正規職員は、19年度には368人まで減り、人件費は約13億8千万円圧縮された。

 歳出の抑制によって、財源不足に備える財政調整、減債の両基金を積み上げた。約28億円(06年度)だった両基金は、20年度には約170億となる見込み。約482億円(同)あった地方債残高も約323億円まで減る見通しで、順調に返済してきた。

 ただ、合併優遇措置の終了に伴う地方交付税の減少などにより、21年度から両基金の取り崩しが続くことになる。25年度までの財政計画では、23年度の10億4200万円をピークに毎年7億6200万円以上が減る見通しだ。

 職員の削減も限界を迎えている。合併当初は退職者6人に対して新規採用を1人に抑える「6減1増」を軸にしていたが、増加する業務に対応するとともに年齢構成の偏在を解消するため14年度から一定の採用を行い、削減ペースを見直している。加えて正規職員の減少分を臨時職員で補っているのが実情だ。

 清水カズ子企画財政部長は「市は広大な面積を有し、近年災害も増えているため、職員を減らすのは難しくなっている。しかし、計画に基づき着実に進めていかなければならず、これまで以上に事業の取捨選択が必要となる」と話す。

 今後、新庁舎や市有ビル跡地での複合施設建設、みよし広域連合の新ごみ焼却施設の整備など大型事業が相次ぐ。歳出のスリム化を推進するためには、民間への業務委託や公共施設管理見直しが欠かせない。行政サービスを維持しながら、財政健全化に向けていかに取り組むのか。新市長には難題が突き付けられる。