鳴門市に到着し、歓迎を受ける捕虜の子孫ら=同市のルネッサンスリゾートナルト

 第1次世界大戦中、鳴門市大麻町にあった板東俘虜(ふりょ)収容所で、ドイツ兵捕虜によってベートーベンの交響曲「第九」がアジアで初演されてから1日で100周年。記念式典や演奏会に出席する元捕虜の子孫ら20人が31日、鳴門入りした。

 一行は午後6時20分ごろ、同市鳴門町のホテル「ルネッサンスリゾートナルト」に到着。ロビーでは市民や子どもたち約50人がドイツの小旗を振り「歓喜の歌」を歌って出迎えた。

 元捕虜ヘルマン・ハーケさんの次女クリスタ・シュトフレーゲンさん(84)=ドイツ・マールブルク市=は「100年前の戦争中に第九が演奏できたなんて素晴らしい。ドイツ館で資料を見るのが楽しみ」と話した。

 1日は同ホテルで記念式典があり、市民らと交流を深める。クリスティアン・ヴルフ元ドイツ大統領らによるシンポジウムもある。

 市ドイツ館前広場では松江豊寿所長の銅像除幕式があり、初演時と同じ午後6時半から約120人が初演の様子を再現する「よみがえる『第九』演奏会」が開かれる。