昨春に予定されていた関西方面への修学旅行が延期になり、県内の観光地を巡った児童。本年度も延期の動きが相次いでいる=2020年9月、美馬市脇町のうだつの町並み

 今春に修学旅行を予定していた徳島県内公立小中学校のほぼ全ての121校が、新型コロナウイルス感染防止のため秋以降に延期したことが徳島新聞の調べで分かった。行き先について、多くの学校は感染者の増加ペースの速い京阪神や沖縄から中四国などへの変更を検討。全国の感染状況をにらみながら実施を模索している。

 今春は県内公立小中学校122校が修学旅行を計画。このうち、延期を決めたのは20市町村の87小学校、34中学校に上る。三好市が小中合わせて19校で最も多く、阿南市が13校、鳴門市(小学校のみ)と小松島、吉野川両市が各12校となっている。もともと秋に予定する阿波市と板野、北島、松茂の3町で延期はなかった。

 鳴門市では、隔年実施のため本年度は予定していない鳴門東を除く全12校が、昨年度のうちに「児童の安全が確保できない」などとして5月から10月以降に、行き先も関西方面から四国内へ変更した。

 5、6月に京阪神方面への旅行を予定していた三好市の全14小学校も感染リスクが大きいとして秋に延期した。市教委学校教育課は「児童の安全を優先した。6年生にとって最後の機会なので何とか行かせてあげたい。ただ、訪問先や三好市内の感染状況によって中止も考えられる」とする。

 12月に沖縄行きを予定している城西中(徳島市)は中国方面への変更を検討している。担当者は「仮に現地で感染者が出れば帰りの飛行機にも乗れない。生徒全員が現地で待機するなら滞在費も余分に必要になる」と話す。津田中(同市)と池田中(三好市)も沖縄からの行き先の変更を予定している。

昨年度は15校が中止 地元で代替行事企画も

 コロナ禍の影響で昨年度に修学旅行を延期した中学校のうち、15校が中止となった。大半は秋以降の学校行事や受験対応を考慮した上での判断だった。思い出づくりの機会をなくした生徒のため、地元などで代替行事を企画する動きもある。

 北井上中(徳島市)は4月に、松茂中(松茂町)は5月に、昨年度延期した旅行を予定していた。しかし、いずれも「受験を控え、これ以上延ばせない」と中止を決めた。

 昨年度に2度延期した富岡東中(阿南市)は、本年度の1学期に中部方面への旅行を計画したものの、「生徒の安全が確保できない」として中止した。海陽中(海陽町)も中国方面への3年生の修学旅行の中止を4月に決めた。

 北井上中は代替行事として、地元資料館の見学や映画鑑賞会を企画。海陽中は今月24日に阿南市内でマリンスポーツ体験を行う。

 昨年度に延期した学校のうち、今後旅行を予定しているのは23校。八万中(徳島市)は岡山・広島方面への1泊2日の日程を変更し、7月に板野、鳴門方面への日帰り(2日間)を計画する。大阪真智子校長は「受験対応などに加え、県中学総体が控えていることも考慮すると7月までが限界。苦肉の策だった」と話す。

 今月に広島に向かう富田中(徳島市)も「9月以降は学校行事が控えており、場合によっては夏休み中の実施もあり得る」としている。相生中は今月、那賀町内で1泊2日の旅行となる。