東京湾周辺の移り変わる風景を写真集にした小倉さん=吉野川市

 徳島県吉野川市鴨島町西麻植の写真家、小倉隆人さん(71)が、東京湾周辺の風景などを撮影した「ヨコスカ、工業地帯、足尾、東京湾 1970~2015 同時代を見つめて」(A5判、252ページ)を出版した。

 45年間に撮影した写真から238枚を選び、モノクロで掲載した。工業地帯がある川崎市の1970~90年代の風景をはじめ、開発で埋め立てられ姿を変えた東京湾、かつて鉱毒事件のあった足尾銅山など、近代化に伴い荒廃した自然環境や、その土地で生活する人々の様子を収めた。

 元は海岸で、埋め立て地となった場所で浜供養を行う元漁師、使われなくなったのりの乾燥小屋、公害で入院中の患者の姿などを捉えている。開発によって生活や産業が変化した様子がうかがえる。

 吉野川市出身の小倉さんは69年に写真を学ぶため上京。写真雑誌社勤務などを経て独立した。川崎市の公害を巡る裁判では記録写真の撮影にも関わった。2015年に帰郷し、現在は剣山系の急傾斜地集落の暮らしなどを撮影している。

 写真集を出すのは初めて。「生きてきた時代はどういう時代かと思い、撮影してきた。工業化は人間を幸せにせず、自然を大事にしなければならないと感じている」と話している。

 1760円。HuRP出版(東京都)や吉野川市鴨島町麻植塚のギャラリー「風の庵(いおり)」で取り扱っている。問い合わせは小倉さん、電話090(8849)5637。