徳島市が主催する阿波踊り本番まで50日を切った。市は新型コロナウイルスの感染状況に応じ、開催規模の異なる三つのモデルを用意。近く開催の可否を判断し、規模を決める。ただ、市が7月上旬とするチケット販売の具体的な日程は示されていない。参加意向を示す踊り連75連の出演日時も未定だ。準備の進み具合や運営の在り方を検証した。

いまだ固まらぬ中身

 チケット販売の開始は例年7月1日が中心だった。そのため、選抜阿波おどりや有料演舞場ごとに、有名連の配置などの大枠を固めておく必要があった。ところが今年は、現時点で演舞場開設の有無は決まっていない。市が6月とする、団体客向けチケットの販売申し込みも始まっていない。

 市は6月下旬のタイミングを含め、開催直前の8月上旬まで計4回、判断の時期を設けている。このため、最終決定の時期となる8月までチケット購入を待つ人がいる可能性がある。例年、購入するのは県外客が多く、売れ行きは不透明だ。新型コロナ対応のまん延防止等重点措置が出ている関東や関西圏など県外から訪れる観光客や踊り連に対し、何らかの参加基準を設けるかどうかも検討中となっている。

 徳島駅近くにある旅館の経営者は「昨年は中止になり予約が全く入らなかったので、小規模でも開催してくれるとありがたい。コロナの状況次第で内容に変更があるのは仕方ないが、県外客への対応を含めて早めに決めてほしい」と言う。

事業費に大きな違い

 市が示した事業計画案〈別表〉では、屋外の有料演舞場(藍場浜公園)やおどり広場(新町橋東公園と両国橋西公園)を開設する最大規模の開催事業費が9620万円=モデルA。シャトルバスは運行せず臨時駐車場も設けない計画で、市は関連経費を計上していない。

 演舞場とおどり広場を設けない場合は、新型コロナ感染対策費をはじめ、会場周辺の雑踏警備委託費が少額で済む。このため、モデルBの事業費はモデルAより約6千万円少ない3600万円と見積もる。市によると、両モデルの差額は▽有料演舞場の桟敷・照明などの設置費を含む会場設営業務委託費2569万円▽警備業務委託費1092万円▽感染症対策実施費380万円―などとなっている。

参加の意向75連だけ

 例年、有料・無料演舞場には1日当たり延べ300連以上が踊り込んでいた。これに対して今回、参加の意向を示したのは75連にとどまる。しかも全ての連が4日間参加できるとは限らず、1日だけの出演を希望する連もあり得る。徳島新聞が踊り連に対して独自に実施したアンケートでは、参加希望者が所属連員の半数以下の連が多く、合同連で踊り込む連もある。

 市は参加人数を明らかにしていないが、踊り手の人数ベースで見れば、参加できる連が大幅に減る可能性がある。75連のうち41連は一般・企業連が占め、今後の新型コロナの感染状況にも左右されそうだ。ある連長は参加の意向を示しつつ「開催規模にもよるが、踊り手が一定数そろわない状況になれば、断念せざるを得ない」と語った。

 市にぎわい交流課の湯浅正敬(まさよし)課長は「踊り手の判断を尊重しながら4日間運営できるようにする。例年の規模感やパフォーマンスを見せるのは難しいかもしれないが、2年連続の中止を避け、踊りの灯を消さないよう最後まで開催の可能性を追求する」と話している。