有機農業を行っている水田で草を刈る近藤会長=阿南市那賀川町島尻

 徳島県阿南市の稲作農家らが、化学肥料や農薬を使わない有機農業の普及啓発、地域農産物のブランド力向上を図る「市有機農業推進協議会」を設立した。有機農業を基にした農産物づくりを進めるとともに、土壌や周辺河川の環境改善に努める。27日に市内で発足記念シンポジウムを開く。

 会員は米農家や食品企業の関係者、有識者ら20人程度。2カ月に1回ほど、外部講師を招いて米や野菜の生産方法を学ぶほか、有機農業を実践している農家から話を聞いたり農地を視察したりする。「米30キロ3万円での販売」を目標に掲げ、有機食品の認証制度「有機JAS認証」の取得も目指す。

 同市那賀川町と小松島市坂野町の計4ヘクタールでコシヒカリなどを栽培している近藤時茂会長(63)=那賀川町島尻=は、化学肥料や農薬が体に悪影響を与えるとして、2014年から有機農業による米作りをしている。

 苗を育てる際に魚やサトウキビの煮汁、酵母菌を混ぜた液肥を使い、田植え前の3月には肥料として鶏ふんなどを農地に投入している。生活協同組合連合会コープ自然派事業連合(神戸市)の味評価で高得点を出し、30キロの標準価格6500円を大きく上回る1万円超で買い取られている。

 今年1月、市内の郵便局を退職して専業農家となったのを契機に、有機農業を広げようと知人らに声を掛け、6月15日に発足させた。近藤会長は「次代を担う子どもらに安心で安全な米、野菜を食べてもらう。学校給食に使ってもらえるようなものを作りたい」と意気込んでいる。

 記念シンポは27日午後1時半~4時半。日本有機農業普及協会の中村隆宏さんが「有機農業の現状とこれから」と題して講演する。パネル討論もある。無料。一般の入場可。新型コロナウイルス感染防止のため、入場者を先着100人に限定する。当日の様子は動画投稿サイト・ユーチューブでライブ配信する。問い合わせは協議会事務局、電話050(5471)6848。