ぷりっとした食感の竹ちくわ。火であぶって食べると一層風味が増す

 徳島では「ちっか」と発音する。魚のすり身を竹に巻き、表面が焦げ茶色になるまで焼き上げた「竹ちくわ」のことである。海に面した小松島市周辺に製造業者が多く、ちょっとした手土産にも便利な“練り物系”のエース商品である。

 弁当のおかずや酒のあて、おやつに重宝されてきた。そのままかぶりついてもいいが、少し火であぶると風味が一層増す。スダチしょうゆ、ワサビしょうゆを付けてもよし、マヨネーズで味付けしてもよし。

 小松島市の有名店、谷ちくわ商店では多い日には1万7000本を生産。すり身にはスケトウダラを使っており、「ぷりっとした食感を楽しんでほしい」と谷泰志社長。

 かつて徳島・小松島と関西を結ぶフェリーや高速船に乗り込む家族や知人に、売店で買った竹ちくわを手渡すのは、よく見られた光景だった。ある年齢以上の県民には多少なりとも、船中で「ちっか」を食べた思い出があるのではないか。

 現在、徳島-和歌山で運航される南海フェリーの乗り場売店(徳島市南沖洲)でも、しっかりと売られている。伝統は健在である。

 なお、竹ちくわをモチーフにした県のPRキャラクター「ちっかーず」も存在するが、一番人気のすだちくんに押され、いまひとつ影が薄いのが残念である。

〈2021・7・8〉