スダチの摘葉作業をする生産農家=神山町阿野

 徳島県産スダチの生産量が減少している。2019年は4156トンと直近のピークだった01年(8430トン)の半分以下に落ち込んだ。農家の高齢化に伴って栽培面積が減っているのが要因で、全国で100%近いシェアを誇る県のブランド農産物も産地の縮小が課題になっている。

 県によると、生産量は1990年から2004年までは、ほぼ7千~8千トン台で安定していた。その後は、表年と裏年による増減はあるものの、減少傾向が続いている。19年は、01年から50・7%減となった。20年のデータはまだ公表されていない。栽培面積は00年以降、ほぼ前年を下回る状態となっており、19年は382ヘクタールで、00年(595ヘクタール)から35・8%減少している。

 県産スダチは、最大産地の神山町(19年の生産量1274トン)をはじめ、佐那河内村(971トン)と徳島市(824トン)、阿南市(245トン)などで栽培されている。このうち、神山町や佐那河内村といった高齢化が進む中山間地域で生産量の減少傾向が強いとみられる。

 JA名西郡によると、神山町では約550戸が露地物と、露地で収穫した実を冷蔵庫で保管する冷蔵物を出荷している。農家の高齢化と担い手不足によって、生産戸数は2010年から約180戸減り、生産者の平均年齢は73歳に達しているという。

 農家の大きな負担となっているのが、実を太らせ、色づきを良くするために余分な実や葉を取り除く摘果・摘葉作業だ。6月末からお盆前にかけて行われ、お盆前から9月まで収穫に追われる。暑さが厳しい3カ月ほどの期間に作業が集中する。

 同JAすだち振興部会の田中一重部会長(69)=同町阿野=は「繁忙期に雇用していた人も高齢化し、人手が集まらなくなっている。作業の忙しさから生産をやめてしまう農家もいる」と話す。

 県は19年から、スダチやミカンといったかんきつ栽培の担い手を育てる「徳島かんきつアカデミー」を開講している。生産者の確保には経営の安定が欠かせないとして、県もうかるブランド推進課は「生産者やJAと連携しながら県外でのプロモーションなどに力を入れ、販路と消費の拡大を図りたい」としている。