徳島市が撤退した新町西地区再開発事業を巡り、市が地権者でつくる再開発組合に和解金を支払ったのは遠藤彰良前市長の政策判断に原因があるとして、市は2日、和解金など4億5878万2291円を賠償するよう遠藤氏に請求した。同様の趣旨の住民監査請求に対して市監査委員が損害賠償請求などを行うかどうか対応を決めるよう6月24日付で内藤佐和子市長に勧告しており、これに沿った形となった。

 市が遠藤氏に賠償を請求したのは、市が支払った和解金4億1千万円と、裁判での弁護士費用4878万2291円。請求を求める文書を内容証明で遠藤氏宛てに郵送した。納付期限は8月30日としている。

 事業を巡る損害賠償請求訴訟の徳島地裁判決では、遠藤氏による事業からの撤退が「信頼に反する違法な行為」と認定された。市都市建設部は、遠藤氏が撤退時に具体的な事業変更案などを提示していれば、訴訟にはなっていないと説明。自治体の不法行為が認定されて財政的損失をもたらした以上、その原因となった前市長に請求を求める判断に至ったという。

 市は監査で、和解金と弁護士費用について「(遠藤氏に対する)求償権または損害賠償請求権を有する」と主張していた。一方、事業のため組合に交付した補助金など計2億3330万8千円については、判決で組合の損害と認定されていないため請求しないとしている。

 内藤市長は「前市長が自身の不法行為により市に損害を与えたことを認め、期限内に納付されるよう求めます」とのコメントを出した。

 遠藤氏は「文書の内容を確認した上で近く記者会見を開き、説明したい」と話した。