J2徳島ヴォルティスは3日午後4時から、鳴門ポカリスエットスタジアムで5位のアビスパ福岡と対戦する。前節の千葉戦では、DF馬渡がボールボーイに乱暴な行為をして退場となった。試合後、サポーターがアルコール飲料のようなものを掛ける行為もあったと認定された。選手のモラルや育成、応援の在り方が問われている中での再出発となる。
1日の練習には26人が参加した。練習前に非公開で行われたミーティングでは、球団幹部が馬渡の謹慎処分などを報告。プロとして原点に立ち戻ることを確認した。
練習場に姿を見せた選手らは一様に硬い表情だった。千葉戦で馬渡が退場処分となった後、試合中にボールボーイに握手を求めて謝罪したMF岩尾主将は「ボールボーイに対し、申し訳ない気持ちでいる」と、選手全員の思いを代弁。「原点に戻り、サッカーで結果を出すことで、支え続けてくれる方々に恩返ししたい」と続けた。
ロドリゲス監督は馬渡の処分について「やってはいけない行為だった。繰り返さないでほしい」とコメント。その上で、他の選手には「激しさは失ってはいけない。チームは家族。団結して戦っていくことが必要になる」と述べた。
福岡戦は千葉戦から中3日で行われる。過密スケジュールのため、千葉戦に出場した選手の一部は軽めのメニューで引き揚げた。
福岡戦では戦術の変更もありうる。馬渡はこれまでの10試合全てで先発出場。豊富な運動量を生かして左サイドから積極的に攻め上がるプレーで好機を築いてきた。欠場によって、攻撃の多様性が失われることになり、戦術については、チーム内で意思統一が必要になるだろう。逆風が吹く中で、チームや選手は大きな試練を迎えている。
■観客の悪質行為 HPを通じて情報呼び掛け
4月29日の千葉戦で、徳島側の観客席からボールボーイにアルコール飲料とみられる液体が掛けられた問題で、徳島ヴォルティスはホームページ(HP)を通じて情報の提供を呼び掛けている。また、映像分析などを行い、この人物の特定を急いでいる。特定でき次第、クラブは運営管理規定にのっとった処分を行うことにしている。