勝浦川と那賀川上流を除く県内の主要河川で1日、アユ漁が解禁された。大勢の釣り人が川べりに並び、さおの感触を楽しんだ。
■吉野川上流
三好市山城町国政の鮎戸(あど)ノ瀬では早朝から4人が岩場に陣取った。釣り針を川底まで沈めてアユを引っ掛ける「ぴんぴん釣り」で狙ったものの、魚影は薄め。午前8時までの2時間で20センチを超す大物1匹を仕留めた秋幸二さん(74)=同市山城町大月=は「手応えがあった」と顔をほころばせた。
■吉野川中流
阿波市吉野町の柿原堰(ぜき)の約1キロ下流では、正午ごろに約10人がさおを出して当たりを待った。体長10センチ前後の小ぶりが多く、三並健治さん(60)=吉野川市山川町翁喜台=は「魚体が大きくなるお盆ごろが本番だ」と期待を込めた。
■那賀川下流
阿南市十八女(さかり)町の十八女大橋付近では、約10人が餌を付けずに川底を滑らせる「ころがし釣り」で狙った。体長10センチ前後が目立ち、遡上(そじょう)は少なめだった。
「解禁日はいつもお祭り気分になるが、100匹を釣った昨年に比べるとかなり少ない」と言うのは柿成喜三郎さん(88)=徳島市新蔵町2。約6時間で12匹の釣果に、残念そうな表情を見せた。
■海部川上流
海陽町小川の皆ノ瀬橋周辺では約10人がさおを振り、例年より大きい体長17センチ程度を仕留めていた。毎年解禁日に訪れている四宮文男さん(69)=徳島市住吉1=は「コケをたくさん食べた新鮮なアユが多いポイント。動きが活発になる8月ごろが楽しみ」と話した。